
書籍紹介
■ この症例では何を書けば良い? どこの所見が重要になる? そんな疑問にお答えします.
■ 各症例ごとにレポートを書くときのポイント,コレだけは書いて欲しい項目,観察や読影でのコツなど,使えるテクニックが満載です.
■ 「アドバイス!」や「知って得する!」といったコーナーには,レポートをまとめるうえで役立つさまざまな知識が盛り込まれています.読み物としても楽しめる一冊です.
■ 超音波検査士認定試験の出願に先立つレポートの準備の際にも参考にしていただけます.
序文
レポートの作成は日常業務の中で重要な役割を占めております.私が超音波検査を始めたころ,早く自分のサインでレポートが書けるようになりたいと思い,上司や先輩のレポートを毎日のように見てメモをしたり,まねをして書いたことを覚えています.放射線科医が作成するCTやMRIのレポートも良く参考にさせていただきました.自分が作成したレポートが気になって,手術や解剖もよく見せていただきました.レポートを何とか作成できるようになったころ,「君のレポートはお腹の中にでも入って見てきたようだね……」といわれて何とも複雑な思いになったり,「君のレポートどうりだったよ」といわれて大いに嬉しかったり,の繰り返しでした.
筆者が思う良いレポート作成とは,依頼医が知りたいことをより付加価値の高い情報として的確に伝達できるものであり,われわれの技術の結果を臨床側に提供するフィールドだといっても過言ではないと思っております.一方,レポートの形式は臨床病院や検診センターなど,施設によりさまざまではありますが,病変の部位や性状などの所見とともにスケッチやシェーマを用いて構成されている形式が多いように思います.しかしながら,レポートの書き方が確立している施設は良いのですが,指導者がいないことから,どのように書けば良いのか,苦労されている方々も少なからずおられるのではないでしょうか.
本書は,「「おっ」と思わせる!超音波検査報告書の書き方」と題して,第一線で活躍する各施設の超音波検査士のレポートを,これからレポートを書きはじめる方々や上達したい方々のお手本となるように,画像アトラス的な構成で検査からレポート作成までの過程をわかりやすく解説しております.超音波検査が対象とする領域のほぼすべてを網羅し,数多い症例を提示したい思いから,「心臓/血管」「消化器/消化管」「検診/泌尿器/産婦人科/体表臓器」の3分冊として編集いたしました.日常遭遇する代表的な症例画像を記載例として,検査目的と症例紹介とともに,オリジナル像に加えネガ像で超音波画像を解説してレポートにまとめ,「ここがポイント」として少し説明を加えております.
本書がこれから超音波検査を始められる方々,そして超音波検査レポートを書かれる方々のお役に立つことを願う次第であります.
見本ページ
▶ 消化器(肝臓・脾臓)における良いレポート
▶ 肝臓:脂肪肝
▶ 知って得する! 巨大な混合エコー腫瘍/肝血管腫のサイン/辺縁高エコー帯
▶ 脾臓:転移性脾腫瘍
▶ 胆嚢:胆嚢ポリープ
▶ 胆管:先天性胆管拡張症
▶ 膵臓:腫瘤形成性膵炎(1)
▶ 膵臓:腫瘤形成性膵炎(2)
▶ 虫垂:急性虫垂炎(1)
▶ 虫垂:急性虫垂炎(2)
目次
■ 消化器(肝臓・脾臓) ■
▶ 消化器(肝臓・脾臓)における良いレポート
脂肪肝
慢性肝炎
急性肝炎
肝硬変
門脈圧亢進症
門脈圧亢進症の超音波所見
肝外門脈閉塞症
日本住血吸虫症
肝嚢胞
肝血管腫
限局性結節性過形成
肝細胞癌
肝内胆管癌
転移性肝腫瘍
肝膿瘍
肝内石灰化
脾嚢胞
脾リンパ管腫
脾血管腫
脾悪性リンパ腫
転移性脾腫瘍
脾膿瘍
脾梗塞
Gamna-Gandy結節
脾内石灰化
■ 消化器(胆嚢・胆管・膵臓) ■
▶ 消化器(胆嚢・胆管・膵臓)における良いレポート
急性胆嚢炎
壊疽性胆嚢炎
慢性胆嚢炎
陶器(磁器)様胆嚢
黄色肉芽腫性胆嚢炎
胆嚢結石
胆嚢ポリープ
胆嚢腺腫
胆嚢腺筋腫症
胆嚢癌(限局腫瘤形成型)
胆嚢癌(全体腫瘤型)
胆道気腫
先天性胆管拡張症
総胆管結石
胆管癌
閉塞性黄疸
急性膵炎
慢性膵炎
自己免疫性膵炎
腫瘤形成性膵炎
膵仮性嚢胞
漿液性嚢胞腺腫
粘液性嚢胞腺腫
膵管内乳頭粘液性腫瘍(混合型)
膵管内乳頭粘液性腫瘍(分枝型)
膵癌
転移性膵腫瘍
内分泌腫瘍
■ 消化管 ■
▶ 消化管における良いレポート
急性胃粘膜病変
胃アニサキス症
胃癌
肥厚性幽門狭窄症
腸重積
急性虫垂炎
大腸憩室周囲炎
虚血性大腸炎
感染性腸炎
大腸癌
イレウス